病院ガイド2008掲載
乗り物酔いでお困りの方へ
当院は平成20年4月に開院した耳鼻咽喉科のクリニックです。皆さんよろしくお願いいたします。
北海道もいよいよ行楽シーズンに入りますが、乗り物に酔いやすいのでお出かけを控えていらっしゃる方もいると思います。
今回はその「乗り物酔い」について、お話させていただきます。
乗り物酔いは、一般的には5才ぐらいからで、10才前後をピークにして、成長するにつれて減少すること、
また女性にやや多いといわれています。なぜ乗り物酔いがおこるのでしょうか。
それには頭や眼の動き、その動きを監視する耳からの情報、頭や眼の動きの予測される情報、気持ち・気分に関係する脳の
情報などが関連すると言われています。耳の奥(内耳)にある三半規管というバランスをつかさどる器官が体の傾きを感じ
て、脳に信号を送り身体のバランスを保っています。
車などの中では三半規管は常に揺さぶられるような状態にあります。自分はじっとしているつもりでも、周りの景色はかわ
ります。じっとしているにもかかわらずいろんな方向に揺れがあるので、感覚にずれが生じてきて酔ってしまうわけです。
それでは乗り物酔いの対処法ですが、お出かけ前の準備として
- 空腹や過食をさける
- 脂肪分の多い、おなかに残りやすい食事はさける
- 体をしめつけるような下着やバンドなどはしないように
- 乗る前には排便排尿をしておく
- 十分な睡眠をとっておく。車に乗る時に気をつけることとしては
- 後ろ向きの乗車をさける、進行方向がみえる前の方にすわる。
- 乗り物内での読書はさける
- 近い物は見ずに遠くをみるようにする
- 座席は頭や体が不安定になるような柔らかい物はさける(揺れに身をまかせないこと)
- 急ブレーキ、急発進、急カーブに気をつける
- 風通しをよくする
- 気分が少し悪くなったときには腹式呼吸を。
- 周りが不安をあおらないこと
- 乗り物の中では積極的に楽しむ
- 薬をのむときには、乗る前の30分前には服用する
- 逆効果になることもあるのですが、「乗り物酔いしない」と思い込むことや「これを食べる(飲む)と酔わない」と いう自己暗示で効果がある方もいます。
気持ちの準備としては
すべての人に100%の効果をもたらす方法はありません。 また今回あげた対処法をすべて試せば必ずどれか効果があると断言はできませんし、今回紹介した方法以外にも効果的な 対処法があるかもしれません。いろいろお試し頂いてみてください。
乗り物酔いの様な状態がしばらくしても良くならないようなら、耳鼻咽喉科を受診してみてください。