病院ガイド2013掲載
声のかれについて
言葉でコミュニケーションをとることは、人の特徴の一つです。加齢に伴い耳が遠くなってくることと一緒で、はりのある良い声がだんだんでなくなってきます。
声を発生させるところは声帯といい、のど仏の内側に左右一対存在します。
発声するときは互いに正中に寄り、細いすき間をつくり、肺からの吐く息によって声帯が振動して声になります。65歳以上では約70%の方で発声する際に声帯のしまりがわるくなったりする現象がみとめられるといわれています。
医学的に言うと声帯が萎縮してきている状態です。萎縮が進んで声帯のしまりが悪くなると、息がもれたり、長い時間話をすることができなくなってきます(呼吸機能の低下も加わります)。
声帯の萎縮による声のかれについては、まずは音声訓練がよいとされています。毎日規則正しく声を出す瞬間に胸をはり発声することです。
1から10までの数字を「いち、に、さん、・・・じゅう」と一言ずつ呼吸を整えて、間をおいて約30秒かけて発声しましょう。1回の数字の発声は瞬間的な発声として、1つの数字の発声の度に力を抜き呼吸を整えます。
これを1セットとして、朝晩2セットずつ行う方法がよいと言われています。
声のかれは、声帯の萎縮だけではなく、喉頭がんなどの悪性腫瘍やポリープ、神経麻痺などが原因の事がありますので、耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けていただき相談されることをおすすめいたします。